ロケハンの進め方 — 光・音・電源・搬入・許可、現地で見るべきものすべて
当日のトラブルの8割は、ロケハンの見落としから生まれる

撮影当日に起きるトラブルの多くは、当日生まれたものではありません。電源が足りない、午後から逆光になる、隣が工事中、機材が階段を通らない——全部、ロケハンの段階で見えたはずのものです。
この記事では、候補探しから当日の段取りまで、ロケハンの基本手順をまとめます。
1. 探す前に、条件を言葉にする
「いい感じの場所」では探せません。最低限、次の4つを言語化してから探し始めます。
- 画: どんなシーンを撮るか。必要な広さ、窓の向き、床や壁の質感
- 人数: キャスト+スタッフの総数。控室や待機スペースは要るか
- 時間: 何時間必要か。仕込み・撤収込みで計算する
- 予算: 会場費の上限。移動コストも含めて考える
条件が決まったら、ロケーション一覧で絞り込みます。エリアで探すなら東京のロケ地のような都市別ページが早道です。
2. 現地で見るもの — チェックリスト
写真と実物は必ず違います。候補を2〜3に絞ったら、現地へ。
- 光: 撮影予定の時間帯に行く。窓の向き、直射の入り方、遮光の可否
- 音: 2分間、黙って耳を澄ます。空調、道路、電車、隣室。録音があるなら特に
- 電源: コンセントの位置と数、容量。照明を焚くなら回路が分かれているか
- 搬入: 駐車場から部屋までの経路。エレベーターの有無とサイズ、階段の幅
- 許可: 撮影可能な範囲、可燃物・水・スモークの可否、原状回復の条件
- 控室: 着替え・メイク・待機の場所。トイレの数と位置
スマホで動画を撮りながら回ると、後でチームに共有するときに説明が要りません。
3. 決めたら、紙に落とす
ロケハンの成果は、頭の中に置いておくと当日までに蒸発します。決定事項は香盤表ツールに落とし込みましょう。集合時間・搬入経路・電源の位置・会場のルール——ロケハンで見てきたことを香盤表に書き切れば、当日「聞いてない」が消えます。
シーンごとの画づくりまで固めたい場合は、絵コンテツールでカット割りを組んでからロケハンに行くと、「この画がこの場所で成立するか」という一段具体的な目で見られます。
ロケハンは保険ではなく投資
ロケハンにかけた半日は、当日の混乱を防ぐだけでなく、撮れる画の上限を引き上げます。場所を知っているチームは、その場所でしか撮れない画を計画できるからです。まずはロケーション一覧から、次の作品の候補を3つ選ぶところから始めてください。